東京証券取引所等全国の証券取引所は10月28日、決算短信・四半期決算短信(以下「決算短信」)の様式について使用強制をとりやめる方針を定め、11月27日までパブコメを募集している。これは、決算短信のサマリー情報について、上場会社に対して課している使用義務を撤廃し、上場企業が自由な開示を行うことを認めるという案である。決算短信のサマリー情報は、決算短信の添付資料と同様、短信作成の際の参考様式として、上場会社に対しその使用を「要請」するに止める案となっている。
この背景には、政府が「『日本再興戦略』改訂 2015」において、企業の情報開示について統合的な開示の在り方の検討を求め、それを受けた金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループが、今年(2016年)の4月に、会社法、金融商品取引法、上場規則に基づく3つの制度開示について、全体としてより適時に、よりわかりやすく、より効果的・効率的な開示が行われるよう、開示に係る自由度を向上させる旨の提言を行ったという経緯がある。
各証券取引所では2017年3月末日以後最初に終了する通期決算または四半期決算の開示から適用する予定。なお、記載事項の具体的な見直し等については、パブリック・コメント期間終了後、本年中を目途に改めて公表するとしている。
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(情報提供:日本IPO実務検定協会)