申請期の1期前=直前期 | |||
01 | 名義書換代理人(株主名簿管理人)の設置名義書換代理人とは株主名簿の管理を代行してくれる信託銀行や証券代行の業者のこと。会社法では株主名簿管理人と称します(会社法123条)。非上場会社では株主名簿の管理(株式譲渡や分割、基準日の株主の確定等)は自社で行うのが通常です。しかし、上場時の形式要件で上場準備会社は株主名簿管理人を選定しておくことを求められていることから、上場に先立ち株主名簿管理人を選任し、株主名簿の管理を委託することになります。 株主名簿管理人は、株主名簿の管理に加えて、定時株主総会や臨時株主総会の準備・運営に関するコンサルティングも行います。株主名簿管理人の設置は定款変更が必要であり、かつ登記を行う必要があります。東京証券取引所が承認している株主名簿管理人(株式事務代行機関)は信託銀行および東京証券代行株式会社、日本証券代行株式会社及び株式会社アイ・アールジャパンに限定されています(東京証券取引所「有価証券上場規程施行規則」212条8項)。 |
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02 | 株主総会の開催株主総会のコンプライアンス確保について前期(直前々期)にも増して気を配る必要があります。株主名簿管理人を選定していれば、信託銀行等より助言を得ることができます。 |
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03 | 市場の選定ベンチャー企業向けに証券取引所が設けた市場としては、東証グロース、名証ネクスト、札証アンビシャス、福証Q-Boardがあります。 |
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04 | 証券会社の選定上場に際しては主幹事証券会社を選定する必要があります。 主幹事証券会社は、監査法人を交えてのキック・オフ・ミーティングののち、上場コンサルティングを展開していきます。上場審査に耐えうるだけのガバナンス体制・内部統制を構築すべく様々な提案をするとともに、その提案が実行に移されていることを確認していきます。 さらに、上場時には他の証券会社とともに引受(公募や売出しの株式を引き受けること)を行うため、それに値するかどうかの審査(引受審査)をじっくりと行います。引受審査の結果、証券取引所への推薦を出すに値すると判断した会社のみ、上場申請に進むこととなります。 主幹事証券会社は上場基準充足に関する証券取引所への相談の窓口になるとともに、場合によっては証券取引所との折衝も行ってくれます。主幹事証券会社は上場申請時の事務手続・日程管理を行い、取引所の上場審査のサポートをするとともに、ロードショーやブック・ビルディング等の実施・アレンジ、他の引受証券会社からの質問への回答も行います。 このように、上場において主幹事証券会社の果たす役割はとても大きいものがあります。 |
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05 | 証券印刷会社の選定2009年1月より株券の電子化が実施され、適格株券の印刷は不要となりました。もっとも、上場申請書類や上場後の開示書類等の開示コンサルティング等の観点から、従来通り、宝印刷株式会社などの証券印刷会社(適格株券の印刷は不要となったことから、開示コンサルティング会社の方がより実態に合っていると言えます)と契約を行うのが通常です。 |
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06 | 上場コンサルティングの実施主幹事証券会社のコンサルティング部門が上場に向けて改善提案を行っていきます。おもに、内部管理体制の構築に軸足を置いたコンサルティングとなります。改善提案事項の進捗状況を把握するため、月次の取締役会にオブザーバーとして出席したりするケースもあります。コンサルティングは場合によっては数事業年度にまたがることになります。株式公開準備の一つの山場といえます。 |
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07 |
Ⅰの部等の作成Ⅰの部等上場に必要な資料を徐々に作成していきます。といっても今まで作成したことがないような資料ばかりですので、IPOコンサルタントのアドバイスが必要となってきます。 |
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08 | 事業計画・資本政策の見直し主幹事証券会社の審査部による引受審査・証券取引所の上場審査を控えて、事業計画の見直しをはかります。また、第三者割当の上場前規制が緩和されたことから、直前まで資本政策を見直すことが可能となりました。 この時期になると、ベンチャーキャピタルからのアプローチが増えることとなります。「ベンチャーキャピタルの出資があった方が箔がつく」という大きな誤解をしてしまった経営者が、特に資金ニーズがないにもかかわらず、ベンチャーキャピタルからの出資を受け入れてしまうケースが散見されます。ベンチャーキャピタルの出資に意味があるのは、その出資により成長が加速するという点だけといっても過言ではありません。オーナー経営者は、成長の加速と引き換えにシェアを譲り渡すわけです。「箔がつく」どころか、IPO時の売り圧力になることから、ベンチャーキャピタルからの出資は慎重に判断すべきといえます。 |
このコーナーでの説明でもわかるように、株式公開するには何期にもわたり内部・外部の関係者と連携して準備を行うことが必要です。
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●第三者割当の際やストック・オプションの行使価額に、旧商法の額面をひきずって、特に深い理由がなく5万円で増資するケースがよく見受けられます。第三者割当時やストック・オプションの設計時には必ず株価算定書を取得するようにしましょう。
●代表取締役の親族が取締役や監査役を兼ねている場合、原則として親族の方にお辞めいただくことになります。もっとも、例外もあります。勤務実態やコンプライアンスの確保がどれぐらい保たれているのかが判断基準といえます。
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